2021/08
協会では定期的に「子どもたちに上手く伝わる将棋教え方講座」を開催しております。
こちらの資格はこれから将棋を始めたい子ども達に、駒の動かし方から本将棋を指せるようになるまでを教えるための講座です。
今回は昨年末にインストラクターの資格を取得されて、現在大井町にて教室を開催されている内山優子さんにお話をうかがいました。
ご自身も将棋を指す内山さんですが、娘さんの小学校でお子さん達と将棋を指したご経験から、子ども達に将棋を教えたいと思われたそうです。
きっかけから、講座開設における具体的な準備など、たくさんのお話を聞かせていただきました。
〇資格を取って、将棋教室を始めようとしたきっかけを教えてください。
思い返してみれば、始まりは娘が卒業した小学校での将棋クラブのお手伝いをしたことだったように思います。
品川区では「すまいるスクール」という名前で、放課後の児童あずかりを行っています。その一環で土曜日には、将棋をはじめとして様々なプログラムが月1回ほどで用意されています。娘は、初心者の頃からすまいるスクールに遊びに行き、お友達やお父さん先生とたくさん将棋を指し、卒業まで大変お世話になりました。
子ども達は大勢来るので、相手をする大人は何人いても困りません。娘の卒業後、恩返しにとお手伝いに行ってみました。私が相手だと勝てるので、子ども達からは次々と対局を申し込まれました(笑)
すまいるスクールでは、年度初めの4月には、将棋のルールを知らない1年生がたくさん遊びに来ます。ただルールを教えるだけなら簡単ですが、「楽しい!」と思ってもらって、「また指したい!」につなげるにはどうしたら良いんだろうな、と考えていました。
とはいえその頃の私は、将棋イベントに参加したり、タイトル戦の大盤解説会に行ったり、市民将棋大会に出たり、と休日は将棋ファンとしての活動で大いに楽しんでいました。
そこにコロナ禍がやって来ます。休日の予定がぱったりとなくなりました。
そこで、以前から気になっていた「まなび将棋公認インストラクター養成講座(注:子どもたちに上手く伝わる将棋教え方講座)」を受けてみることにしたのです。
そして、高橋和先生に「まずは何はともあれ、やってみたら良いんじゃないですか」 ニコッ^^ポンッ!と背中を押され、行動を起こしてみようと思ったのでした。
〇将棋教室を始めるにあたって、一番大変だったことはどんなことですか。
大変なことはありませんでした。ただ、一番大事だったのは、会場選びだったのかなと思います。
はじめは公共施設をお借り出来ないかと考えたのですが、品川区では営利目的では使用不可ということでした。民間で探してみると、運の良いことに、希望していた大井町駅からすぐの場所に貸し会議室がありました。足を運んでみると、明るく開放的で即決です!開講予定日の2ヶ月前だったので、希望の時間帯を全て予約することが出来ました。
会場を確保したことで、安心してその他の開講準備にとりかかることが出来ました。
〇生徒さんの募集は大変でしたか。どのように募集しましたか。
生徒の募集に関しては、楽観していました。「0ではないだろう」と。
実際は、大変にお世話になっている棋士の先生とのご縁で3人の申込みがあって開講となったのですが、そのご縁がなければ「0」も十分ありえましたね(汗)
ただ、その先生からは「将棋教室は最初、生徒を集めるのが大変ですが、続けて行くとお友達の紹介とかでだんだん増えて活気が出てきます」という励ましの言葉をいただいたので、のんびり続けていこうと思います。
具体的な募集の方法については、A5サイズのチラシを作成しました。Webブラウザで使用できる、デザイン作成ツールを使っての手作りです。素人らしい素朴な仕上がりですが、自分でも出来るんだ!と現代のテクノロジーに感動しながら楽しく作業しました。
出来上がったチラシは近隣の幼稚園にお配りしました。園によって、各家庭への配布可、共有スペースに置くことは可、などありますのでまずは電話でお伺いしてからです。この辺りのお作法は、娘が卒園した幼稚園の先生方に教えていただきました。
〇協会のホームページにこんな情報があれば助かったのに、というようなことはありますか。
まなび将棋普及協会ホームページの「公認インストラクター専用」のページは、何度も読み返しました。必要な情報は全て揃っていたと思います。
あえて要望を出すとすれば、経験者の話が載っていると参考になって良いかなと思います。今回のお話がまさにそれで、開講を考えている人のお役に少しでも立てると良いなと思います。今後輪が広がって、講師の交流ページなども出来ると良いですね。
〇教室運営やお子さんとのコミュニケーションをとっていくうえで難しかったこと、楽しかったことを教えてください。
お子さんとのコミュニケーションをとるということに関しては、難しさはありませんでした。この点は、子育ての経験が生きたのかなと思います。
楽しいのは、予想もしていない答えが返ってくる時ですね。「駒を大切にしないとダメだよ」と、ちょっと厳しめに教えようとしていたのに、生徒からの一言で思わず笑ってしまったこともありました。
保護者の方々は、教室運営にとても協力的で、ありがたく思っています。持ち物や宿題の内容など、送り迎えの時に伝えきれなかったことは、メールでやり取りさせていただきました。
〇今後将棋教室を運営していくうえで、協会からどんなサポートがあると助かりますか?
協会のサポート体制は、充分整っていると思います。
例えば、事務局の方には、peatixのページの作り方で相談に乗っていただきました。
高橋和先生には、ワークブックの練習問題の答えが分からなかった(!)時に、答えはもちろんのこと、指導のポイントや伝わりやすい教え方なども合わせてご指導いただきました。
欲を言えば、カラフルなチラシや教室カードを作ったので、教室紹介ページをそれらで彩ってもらえれば、受講を考えてくださる保護者の方々に、教室の雰囲気が伝わりやすいかなと思います。
〇これから、あそび将棋も交えて教える予定ですよね。教室のプログラムについてのこともなにかあれば。
まなび将棋の全12回のレッスンを修了したお子さんには、続けて将棋を指せる場所を用意してあげたいなと思っていました。でも、私には技術的なことを教えるだけの棋力がありません。
そこで色々な種類のあそび将棋を用意して、生徒達には、楽しみながら自分で強くなっていってもらおうと考えました(笑)
1回のレッスンの前半はあそび将棋、後半は本将棋とし、1種類のあそび将棋に対して1週目は練習、2週目はトーナメントとします。6種類のあそび将棋を用意しているので、優勝できるチャンスは6回あります。生徒達にはぜひ頑張ってもらいたいと思います。