~今回のアンケート結果を受けて~ 高橋 和
アンケートにご協力頂きまして、誠にありがとうございました。
結果を受けての今後の協会としての方針などについてお伝えしたいと思います。
受講者の多くは有段者であることが結果からも分かるように、指導するためにはある程度の棋力がないといけないという自覚の元、ご受講いただいているということがわかります。
確かに棋力があって悪い事は何一つありません。ただし、私はいつも講座の最初に申し上げていますが「棋力があるから良い先生というわけではない。子どもたちに寄り添い、分からないが分かる先生が良い先生である」ということをもう少し受講希望の方たちに浸透させること、そして「級位者の方でも教えやすい指導内容、教材」の必要性を感じました。
駒の動き方や簡単な詰将棋などであれば教材がしっかりしていれば教えることも可能なはずです。これは私自身の課題として今後しっかりと考えていきたいと思います。
残念ながら「職業」としてのインストラクターはまだまだ難しいのは正直なところです。何故ならばそれだけの収入が得られるわけではなく、どうしても副業、ボランティアの意味合いが強くなってしまうからです。
指導の分業制(生徒の棋力に合った指導者の選択)がもう少し確立していき、また幼児教育などに将棋の有効性が周知していくようになれば、良い方向に向いていくものと思いますが、現状はまだまだ副業、ボランティアが多くなってしまうのは致し方ないのかなと考えています。
そのためにも皆様の活躍の場所をまずは広げていくことが重要と考え、協会としては積極的に子どもたちがいる場所(児童館、幼稚園、学童等)に将棋の普及の重点を置いていきたいと考えております。
指導するというのは講座だけでは習得するのは難しいことです。将棋もそうですが、本を読んだだけでは上達はしません。実践が伴わなければ意味がありません。そのためにも受講者の皆さんには是非研修の機会を多く持っていただきたいと思っております。
昨年6月、吉祥寺に私の将棋教室・道場「将棋の森」をオープンさせていただきました。
そこでは「どうぶつしょうぎ教室」や「まなび将棋教室」 「しょうぎテラコヤ教室」も行っており、現在は11名の子どもたちが「まなび将棋教室」に通っています(第一期は2名、現在の第二期は11名と急激に希望者が増えております)。
また土日の道場にも毎回10〜20級の子どもたちが多く来ていますので、指導の研修の場として利用していただければと思っております。実際に私が教えているところをご覧いただくこともできますし、私が指導のアドバイスをすることも可能です。こちらはご都合の宜しい時にご連絡頂ければいつでも研修・見学が可能となっておりますので、ご遠慮なくお申し出ください。
インストラクターとして働いてみたい、けれど、副業になってしまい就業規則の問題で今は出来ない、という方がいらっしゃいますが、協会では昨年よりボランティアでの活動も可能とさせていただいております。
またこれから協会としても積極的に広報していく上で、皆様方にご協力のお願いをすることもあるかと思います。是非その時はお力をお貸し頂ければ幸いです。
まなび協会としては今年度新たに【「まなび」は「あそび」から】をスローガンに将棋の盤駒を使った「あそび将棋」のインストラクター講座も開講する予定です。より親しみやすい形からの導入ができるよう工夫をしていけたらと思っております。
高橋 和
アンケート集計結果
調査対象者:『子どもたちに上手く伝わる将棋教え方講座』を受講されたインストラクターの皆様
調査方法 :Googleアンケートを使用し、メールで対象者様に配布
実施期間 :2017年4月27日(木)~2017年5月28日(日)
回収率 :41.1%
ご質問項目について
将棋の棋力や、ご職業、ご年齢等に加え、
「講座をいつ受講されたか」、また「この講座のことはどこで知ったか」、「なぜ受講しようと思ったか」などを、ご質問させていただきました。さらに、「講座内容の満足度」や、「講座受講後の考え方などの変化」も伺いました。
また、「現在インストラクターとしての活動はされているか」という問いに、「いいえ」と答えた方による活動をしていない理由や、今後インストラクターとして活動をしてみたいかなどを伺いました。
全アンケート項目はこちらです。